2005年12月08日

決まりごとの愉しみ

私は一介のサラリーパーソン(cおろちょん氏)であるので、
職人と呼ばれる方々に憧れがある。

自分の腕ひとつで世間を渡って行く。
ちょっと融通の利かない頑固者だが
仕事はあくまで誠実にこなすので周りの評価は高い。
その道の通に「あの人に頼めば間違いないよ」と言わしめる
静かな佇まいの横顔(イメージ)。
ええなあ。

実は先日、泡坂妻夫著「蔭桔梗」を読んだのだ。
自身が紋章上絵師(着物に家紋を入れる絵師)である作者の
1990年度直木賞受賞作(表題作)を含む短編集だが、
これが実にしっとりさらさらと素晴らしい感触の作品ばかりなのだ。

紋章上絵師という職業があることさえ知らなかった私にとって
この小説に登場する絵師達の仕事はとても新鮮で奥深く、
またそこはかとなく色香漂うというなんとも心騒ぐ世界である。
今までこんな作品世界を知らずにいたことが悔やまれる。

私がこの本を手に取ったのは本当に偶然というか全くの気まぐれからで
某大手古本屋チェーンの百円均一棚で見つけたのだ。
小旅行をする予定があって道中読むのに選んだうちの一冊なのだが
正直あまり期待はしていなかった。
というのも以前同じ作者の「乱れからくり」を読んで
あまりぴんとこなかった記憶があったからだが
こんなにいい小説を書く人ならもう一度読み返してみるかなあ。

ほんのたまにだが、こんな素晴らしい出会いをもたらしてくれるのだから
古本屋めぐりはやっぱりやめられない。

kagekikyou.bmp




posted by 鉄 at 13:21| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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